そもそも修験道とは大自然の中で心身を練磨することであり、いわば自己と向き合い、葛藤し、打ち克つことではないでしょうか。
さて一行は暗闇の中、女人結界門をくぐり、ゆっくりとしたペースで登りはじめました。思った以上の悪路に一行は手こずりながらも少しずつ歩を進め夜明けを迎える頃最初の行場「鐘掛岩」に到着しました。そこから見下ろす洞川集落や大峰山系の山々はなんとも雄大で幻想的な風景で一同絶句!しかしその背後には高さ20メートルはある断崖絶壁!そこを一本の鎖を頼りに登るというのです。昔の行者はそこを一本下駄で釣り鐘を背負い登ったと言われているようです。先達をよそに先走ったM山は絶壁の途中で恐怖から動けなくなるという醜態をさらし、皆は大爆笑!!先達には怒られ散々な目にあい、これを教訓としたM山はその後はなんともおとなしいものでした。 okkun